2013年4.26チェルノブイリ・デーにおける東電前アクション!の声明
チェルノブイリの経験を福島に生かせ - 「収束」労働者を使い捨てにするな

 
 チェルノブイリ原発事故から27年めを迎えたこの日、あの事故についてあらためて様々な観点と角度から語られるものと思われます。そのなかで私たち東電前アクション!は、以下のことを訴えたいと思います。
 
 今年に入り、電源停止などの事故が福島第一原発の収束現場で相次ぎました。しっかりとした「収束」を望む声は、ますます大きくなっています。しかし、私たちは誰かの犠牲・大量被ばくを前提にして「収束作業をしっかりやれ」などと主張するものではありません。
 
 繰り返される作業トラブルと「早期収束」を望む声が強まるなか、私たちが危惧するのは、いま以上に多くの被ばくを現場の労働者に強いて、いま以上に労働者の使い捨てを強めながら、「収束」作業が進んでいくことです。
 
 私たち東電前アクション!は福島事故が発生した一昨年来、行動とそれに伴う東京電力への申し入れなどで「東電は電力事業主として、下請けを含む全ての収束労働者に対し、労働被ばくを強いている責任を取れ。すでに強いた被ばく労働については、健康面でも、経済面でも、被ばく労働者へのケアを生涯にわたって行え」と訴えてきました。
 
 そのような要求は、チェルノブイリ事故で収束作業を強いられた兵士・消防士・受刑者を含む多くの労働者たちが求めたことでもあります。いわゆる「チェルノブイリ法」(被害者支援法)の制定には収束労働者による要求運動も大きく寄与したという事実は、もっと広く知られる必要があるでしょう

 
 悲惨なチェルノブイリ事故も、「決死隊」の存在によってより最悪な事態から救われたとも言われます。

 しかし私たちは、福島事故において「決死隊」によって救われることを望むものではありません!
 
 私たちは東電に事故の「収束」は求めます。しかし同時に、あるいはそれに先立って、東電が収束現場の労働者の生命と尊厳を尊重し、決して使い捨てにしないことを強く要求します。
 
2013年4月26日 東電前アクション!