▲27:00からアクションスタート

11月16日、インドのシン首相が来日して野田首相と会談するはずだったその日に、東電前アクション!では「日印原子力協定反対」そして現在インドで強行されようとしているクダンクラム原発の稼働に反対するアクションを行いました。

しかし、衆議院の解散が濃厚となった14日にインド政府は「日本の政情不安定」を理由に来日を取りやめ。しかし、18日からのASEAN会合のなかで日印の首脳会談も持たれるということで、私たちは16日のアクションを貫徹しました。

アクションでは、まず主催からこの日のアクションの趣旨説明。

「日印原子力協定は日本からインドへの原子力技術や機器の提供するもの。これはインド側の強い要望があってのものだが、歴代自民党政権は難色を示していた。これに道筋を拓いたのは民主党・菅政権だ。"原発輸出による成長戦略"を高く掲げていたその菅がいま"脱原発の旗手"のように振舞っている。今日国会は解散したが、原発推進派とともに菅のような二枚舌のインチキ"脱原発"候補もきちんと見抜いて落選させよう」


「クダンクラム原発に反対して猛烈な反対運動が巻き起こっているが、インド政府は血の弾圧で応えている。死者も出ている。原子力協定はこのようなインド政府を支援するものだ。そして、核武装国家インドのさらなる核開発を被爆国日本が後押しすることは許されない。日本国内では脱原発、しかし海外には原発輸出などという不道徳も絶対に許されない」

「しかし、貧困のなかで電気のニーズもあるのもたしかだ。先進国で電気を使い放題で貧しい国に"原発反対"を言うだけ、というレベルの運動でいいわけがない。世界的な貧困・南北格差の解決の道筋の中で新しいエネルギーを模索していきましょう」

次に、この9月にインドで「入国禁止」にされた宇野田陽子さん(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)が大阪から参加してスピーチ。

「クダンクラム原発をめぐって、九月九日には原発の燃料装填を阻止するために地元民2000人が座り込みをし、三万人が原発を包囲した。10日に一万人の武装警官が陸から海へと包囲して人々に襲いかかった。何人も逮捕者は遠くに拘留された。クダンクラム原発反対運動のリーダーのウダヤクマールさんは死刑か終身刑かの国家反逆罪で逮捕状が出ている状況で、彼を反対派住民がかくまっている。ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを経験した日本から脱原発・脱核兵器のメッセージを出し、世界中のどこでもダメだと言いましょう」と訴えました。

おなじく、インド政府から「入国禁止」とされた中井信介さん(ビデオジャーナリスト)は、主にベトナムへの原発輸出の状況について報告。

「ベトナムには反対運動はない。政府によって押さえ込まれている上に、原子力の危険など知らされない。また、ネットで原発の危険を指摘しただけで、物理的な嫌がらせが起きる。その上、日本の原発メーカーが村の有力者を日本の原発を視察させて安全性をアピールしている。こういう状況なので、日本から世界から反対の声をあげていかなければならない」

この日の行動に合わせて集めた「日本とインドの原子力協定に反対する署名」は短期間の呼びかけにかかわらず、198団体700人以上の賛同がありました。この署名を首相官邸に届けようとしたところ、アポイントメントをとっているにもかかわらず官邸の警察警備が官邸に届けることを妨害。まったく許されることではありませんが、私たちはやむなく内閣府に回って署名を届けました。