【緊急声明】
3.11東電前アクションに対する右翼集団「我道会/男組メンバー」の襲撃を許さない
右翼暴力=草の根ファシズムから社会運動を守ろう


(1)

私たち東電前アクション!は先日、「福島原発事故発生から丸3年になる3.11東電前アクション」をよびかけ、被害者賠償を意図的に遅滞・ネグレクトする東電の姿勢、「収束」作業労働者の待遇のさらなる劣悪化、柏崎刈羽原発の再稼働策動などに抗議するものとして、約140人が参加して東電本店に抗議の声をぶつけました。

この私たちの抗議行動に対して、「我道会」あるいは「男組の組長」などを名乗る右翼の一団数人が暴力的な妨害・襲撃に及んできました。彼らは反対側の歩道から複数の拡声器で罵声を続け、わずか十数mしか離れていない私たちの路上アクションを音声で暴力的に妨害・破壊し、時には乱入を試みてきました。私たちは、これを許すことができません。 

彼らはツイッター上で、3月11日の昼に行われた「3.11天皇出席の震災3周年追悼式典 全国一斉黙祷反対集会・デモ」に東電前アクション!が賛同したことに対し「追悼式を妨害する国賊どもにカウンターをしかける」と予告しており、これが妨害・襲撃の意図と思われます。

しかし、上記の集会・デモは、政府による「追悼」強制への異議申し立ての表明ではあっても、個人一人ひとりの追悼の思いはおろか、政府式典に対してさえ「妨害」と言えるものではありません。

これに対し右翼集団は、先に述べたように十数mの距離から複数の拡声器を使い、私たちの東電への抗議行動を音声で妨害し乱入を図って破壊しようとするという行為に及びました。「追悼」強制反対という一つの言論表明に過ぎない事柄に対して、このような言論封殺の暴力は正当化されるものではありません。 

私たちは、草の根の暴力による社会運動破壊という一つの「ファシズム」現象としてこの出来事を受けとめています。 

(2)

とりわけ、福島第一原発の立地地域である双葉町の故郷を奪われ避難生活を続ける方へのスピーチや、現在「収束」作業に携わっている方のスピーチ中もメガホンから大音量で口汚い罵声を受け続けたことに対して、私たちは深い憤りと悲しみを覚えます。しかも司会進行の者が「これから双葉町から避難中の方がスピーチされますから、静かにしてください」と告げたにもかかわらず、です。

結局のところ彼らにとって被災者・被害者への「追悼」など実はどうでもよい口実にすぎず、立地地域の人々や「収束」作業員の実情などにも関心はなく、単に「気に入らない者の表現は暴力的につぶす」ことが真の目的なのだろうと、私たちは受けとめています。

しかし私たちのアクションに参加された方々は、右翼の妨害・破壊行為に振り回されることなく、今回のアクションの意図を理解してくださり、気持ちを込めた抗議を東電に行いました。感謝の気持ちでいっぱいです。

私たちは、今回の3.11アクションに際し、いくつもの議論と自問自答を重ねてきました。

福島浜通りで発生した事故なのに首都圏の私たちが抗議の場でいちばん前にいる「不自然さ」、それがたまたまではなく構造的問題であることについて声明を作り、賠償を遅滞・値切りし、被害者をいっそう苦しめていることへの抗議をアクションの前面にすえ、6項目の申入れ文を東電に渡し、さらに東電本店社屋を「被害者、被ばく労働者のための医療施設及び事故被害資料館」に転用せよという声明を作りました。

■東電前アクション!3.11声明
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36873510.html

■東電への3.11申し入れ文
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36881216.html

■声明:東電本店を明け渡し、原発事故資料館等に転用することを東電に要求する
http://antitepco.ldblog.jp/archives/36881249.html

上で紹介した声明にあるとおり、私たちは深刻な被害を受けた方を代弁することはできません。そのことを大前提に、それでも自分たちにできることを模索し自問自答しながら、今後も東電への抗議アクションを続け、同じ思いの方とつながっていきたいと思います。

(3)

なお私たちは、個々の人が「追悼」することに反対しているわけではありません。政府による「追悼の強制」に反対する、という趣旨で「追悼式典と全国一斉黙祷」に反対する集会・デモに賛同しました。

「追悼」は極めて個人的な領域であり、そこに国家が入り込み、号令をかけるという乱暴なやり方に私たちは同意できません。そもそも14時46分という時刻は地震発生の時刻であり、津波がそれぞれの地域を襲った時刻ではありません。一人ひとりの死はそれぞれ別の時刻にあり、「3.11」という日だけでもありません。政府が手前勝手に「追悼」の時刻を設定して「全国民」に向けて黙祷の号令をかけるのはあまりに粗雑なあり方だと思います。

また、本来3.11に政府が行うことは、国策である原発によって何百万人もの人生と社会を踏みにじり、1000人超と言われる原発事故関連死者を生み出したことへの「謝罪」と「償い」のはずです。政府は今もなお公式には原発事故の死者の存在を認めていませんし、その謝罪と償いをネグレクトしています。

そして政府主催の追悼式典は、そのネグレクト行為を覆い隠し、「悼んで見せることでごまかす」機能を果たしています。この構造は、政府が国内外の人々に対し戦争責任を謝罪すべき8月15日に、自国の戦没者に限定した追悼式典を主催することで「ごまかす」手口と酷似していると思います。

私たち民衆はこれまでも騙され、ごまかされ、陰では陰湿な暴力を受け続けてきました。その結果として3.11の原発事故があると思います。ですから、私たちは新たにやってくる「ごまかし」や「陰湿な暴力」の手口を見抜いていく必要があると考えます。

(4)

私たちは、右翼集団による社会運動破壊を絶対に許さないし、看過してはならないと考えます。原発立地地域から避難された方や収束作業員のスピーチをも拡声器でかき消し、それを自己正当化する右翼集団は、たとえ「脱原発」や「反レイシズム」などを標榜しようとも、社会運動の仲間ではありえないし、物理的暴力で社会運動を威圧・萎縮させる存在だと思います。

彼らの暴力的振る舞いが入り込む余地を社会運動が与えるわけにはいきません。そのための広範な声を多くの人々と作り出す必要を痛感していますし、呼びかけるものです。

3月13日
東電前アクション!
http://antitepco.ldblog.jp/
antitepco1@yahoo.co.jp

:::::::