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4月15日、参議院外交防衛委員会で日本-トルコ・UAE間の原子力協定が審議され、早ければこの日に可決されようとしている国会の動きに、東電前アクション!は4月10、11日に続いて、この日も原子力協定批准承認に反対するアクションを国会・参院議員会館前で行いました。

この日の質疑では、参考人として原発輸出に「反対」の立場で、田辺有輝さん(JACSES)、舩橋晴俊さん(法政大学教授)の招致され、トルコ・シノップ原発が建設された際の危険性や日本における安全チェックの不備などについて、指摘されました。

一方、与党側証人として、元東電副社長・福島第一原発所長、昨年まで東電顧問職を経て、現在は日本原子力産業協会理事長、原子力国際協力センター理事長を務める服部拓也が発言。「原発事故国である日本だからこそ、技術と自己の経験を世界に発信できる。世界は日本の原発技術に期待している」、「我が国の原子力関連の人材確保や技術の維持、成長戦略のためにも原発輸出は必要」、「原発は輸出相手国の地域の発展に貢献する」などの聞くに堪えない妄言を連発しました。

また、このような場に東電系列の人間が出てくること自体に、「原発輸出利権」に東電が深く関わっていることを強く伺わせるものだと言わざるを得ません。

私たちは、国会と議員会館にいるであろう議員たちに向けて、「原子力協定を採決するな」、「参議院で徹底審議しろ」、「民主党は"脱原発"を言うなら輸出にも反対しろ」、「反対議員は棄権や欠席でなく、毅然と反対票を投じろ」、「自公の"脱原発議員"も信念に従え」と午後2時から夜まで訴え続けました。

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国会には、国会見学に来る中高生が続々とバスで到着、私たちのアピールをしばらくききいる姿も見られました。とりわけ、福島からバス6台で国会見学に来た中学生たちは、私たちが反原発のアピールをしていることを認識すると、窓から「郡山から来ました」と声をかけてきました。

手を振ると多くの郡山の中学生たちが振り返し、うち一台のバスから降りてきた中学生たちは口々に「原発反対!原発反対!」と連呼し、他の一台の中学生たちは私たちに手を振りながら国会の中へ入っていくという「椿事」もありました。

しかし、国会に来てみれば、「原発輸出」のための相談をしている国会議員の姿に、郡山の中学生は何を想うのか考えると胸の潰れる思いがします。福島に苦しみを押し付けた原発を、今度は海外に押し付けるわけにはいきません。

そして政府は、「参考人」として元東電役員などではなく、この中学生たちを招致して語らせろ。

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また同日、ベラルーシや白ロシア・ドイツから、チェルノブイリやドイツの「脱原発」政策を報告する院内集会を行っていた来日団の人々も短い時間ですが、抗議に参加してアピールをいただきました。

「日本政府は、チェルノブイリの経験から学ぼうとしているとは思えない。その結果、多くの市民を危険に晒している。まず、市民の皆さんが"チェルノブイリ"を知ることで、政府を動かしてほしい。私たちは、福島が蘇ることを信じている」

この日の行動は、平日昼からの緊急行動であるにもかかわらず、のべ40人超の人々が参加しました。国会内外の努力でこの日の採決は阻止されましたが、17日に与党は数の力で批判を押し切って委員会で採決を強行、日本-トルコ・UAE間の原子力協定が承認されてしまいました。

しかし、原子力協定が批准されれば自動的に原発が輸出されるというものではなく、現地の反対運動などで困難を極めることも大いに起こりうることです。私たちは、「輸出当事国」で生活する一人ひとりとして、引き続き原発輸出に反対し、具体的に阻止する取り組みを強めなければなりません。

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