東電は「自殺の原因は原発事故」判決に控訴するな!「個体の脆弱性」見解を撤回し謝罪せよ!9.2東電本店前アクションの報告をいたします。
当日は、以下のようなプラカードを先頭に掲げました。
このプラカードは、東電に対する私たちの憤りの、その根源にある認識を象徴的に表したものです。
当日のわたしたちの主張は、以下の東京電力宛て申入書にまとめました。
申 入 書東京電力株式会社御中
2014年9月2日 東電前アクション!
私たち東電前アクション!は、福島第一原発事故直後から、
貴社に「企業の社会的責任(CSR)」 の履行を要求し続けてきた有志のグループです。
先月26日、福島地裁は貴社に対し、
川俣町から避難を余儀なくされ焼身自殺された渡辺はま子さんのご 遺族への4900万円の賠償を命令しました。判決後に貴社は「 真摯に対応する」という声明を発表しましたが、 私たちは言葉面ではない本当の意味での真摯な対応として、 以下の2点を要請します。
1;同判決に対して控訴を断念すること
2;同裁判の第3回の口頭弁論において、貴社の代理人による「
渡辺さんの自殺の原因には、『個体の脆弱性』 に依る可能性がある」旨の主張を全面撤回し、社長・ 会長による謝罪声明を発表すること
まず、貴社には「過酷事故は絶対に起きない」と公言していたにもかかわらず、現実に過酷事故を起こし、 広大な環境汚染を現在も生み出していることの社会的責任がありま す。 貴社がその社会的責任と真摯に向き合っているとは到底思えません 。 加えて広大な環境汚染被害に対する賠償・補償を大きく遅延させ、
被害者の生活再建を阻害し、経済的・ 精神的な損害を放置していることで、貴社は二次的加害/ 被害を日々生み出し続けています。 貴社はそのことへの社会的責任も深く問われています。
今回の判決に控訴することは、新たな二次的加害/
被害を生み出すことであり、私たちは控訴の断念を強く求めます。
そして、同裁判において「個体の脆弱性」「
多くの被害者は自殺しないで生きている」という言葉を用いて、 自殺の主原因を渡辺さん本人の自己責任になすりつける主張を行っ たことは、加害企業にあるまじき暴言であり、同時にこの主張は、 貴社が未だに自らの社会的責任を果たせない根本原因を自ら露呈し たものだと思います。
貴社には、人間の弱さ・
脆弱性に対する理解が根本的に欠如しています。 私たちも貴方たちも、 人間は基本的に脆弱な生き物であるからこそ、 人間が住む環境を汚染してはならない、 ある日突然に住めなくなるような環境汚染を起こしてはならない、 福島第一原発事故のような過酷事故を起こしてはならないのです。
生き延びておられる避難者が多くおられることを理由に、
自殺された本人の「個体の脆弱性」に自殺の原因を求め、 自らの免責を主張するのは、端的に言って被害者への一方的な「 甘え」です。強靭な人を基準に考え、 脆弱な人を例外として考えるその発想は、企業の社会的責任、 環境に対する責任意識が根本的な間違いを露呈させています。
私たちは、貴社がそのような「人間の弱さに対する無理解」
を根本的に改めない限り、被害者に対し、社会に対し、 地球環境に対し「真摯な対応」を行い、 社会的責任を果たすことはできないだろうと認識しています。 貴社が「個体の脆弱性」発言を撤回し心から謝罪するまで、
私たちはそのことを追及し続けます。
この申入書の提出と並行して、参加者が口々にマイクを取り、東電の姿勢に対する憤りを訴えました。
この緊急アクションの数日後、東電は控訴断念を表明しましたが、その根底にある考えが変わらない限り、そして「個体の脆弱性」発言を撤回しない限り、私たちの追及は続きます。
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