東電前アクション! (新BLOG)

反差別・地域格差・南北格差・反軍事・エコロジー全般を意識し包摂する「反原発社会運動」として展開中!

カテゴリ: 福島

【拡散歓迎】

福島第一労働者と避難者に聞く
「収束」の現場と汚染状況/形だけの『復興』と避難者の生活
~原発事故から4年後の福島を知る2.14集会~


2月14日(土)18時開始
原宿・穏田区民会館1階集会室
■交通
○JR山手線「原宿駅」表参道口 6分
○東京メトロ千代田線「明治神宮前<原宿>駅」4番出口 2分
○地図⇒ http://www.ss-kousya.com/map/km_onden.gif


資料代カンパ700円 ※経済的にお困りの方は受付にて相談承ります

主催 東電前アクション!
BLOG: http://antitepco.ldblog
TWIT: https://twitter.com/antitepco1
MAIL: antitepco1@yahoo.co.jp
090-1219-4519 栗原

発言:
・「福島第一原発現役労働者」さん
(14年に定年退職。同年5月より浪江町で除染作業に携わる。9月より福島第一原発の「収束」作業に携わる。がれき撤去作業のの他に建屋直下での作業や建屋内のタービン室での作業も行っている)

・木幡ますみさん(大熊町民、311事故後は会津若松市の仮設住宅に避難中)


福島第一原発の事故から4年目を迎えようとしています。
私たちは、この「4年目」をさまざまな矛盾の中で生きています。


日々、深刻な高濃度汚染水漏れが報道されながら、首相が「汚染はブロックされている」と言ってのける矛盾。

放射能汚染の拡大を防ぐ手立てもない状態が日常化する一方、「収束」の現場は破たんが明白な「凍土壁」プロジェクトに政府・東電が自らのメンツとゼネコンのために固執している。
そして、政府が放射線被ばくデータを隠ぺいしながら、「福島は安全だ」と避難者に帰還を促す矛盾。

東電という加害企業が手前勝手に賠償範囲を設定して一方的に賠償を打ち切る。
あるいは「収束」や賠償の費用を税金で出させながら、当の東電は昨年の決算は黒字だという矛盾。

私たちは、「十万人の避難者=原発難民」を日本社会の当たり前の風景として日常を送っています。

その一方で、東電への責任追及の声が年を追って小さくなるのならば、様々な「矛盾」は私たち自身に責があります。

原発という「誰かを被ばくさせて成り立つシステム」の事故が、いま現在何をもたらしてしまっているのか。

「収束」現場の現役の労働者の方と、いまなお避難生活を余儀なくされている木幡ますみさんにお話を伺いたいと思います。

ぜひ、ご参加ください。

::::ここまで::::::::::::::

以下、「被ばく労働を考えるネットワーク」さんからの転載です。
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各位


 東電福島第一原発の収束・廃炉作業や除染作業に従事する労働者の労働相談と、争議を進めてきた被ばく労働を考えるネットワークは、これら被ばく労働者の要求を統一要求書にまとめ、東電や除染元請、関係各省への要求行動を行います。


 午前・午後の統一行動への参加、夜の報告集会への参加を呼びかけます。

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3・14被ばく労働者春闘統一行動


日時:2014年3月14日(金)


■統一要求書申し入れ行動


スケジュール(予定)
9:00 前田建設工業(15分前に本社前集合)
10:30 東京電力(15分前に本店前集合)
14:30 環境省、厚労省、経産省(15分前に参議院議員会館集合)


■被ばく労働者春闘 3.14報告集会

 現場からの声と要求
18:30開始

場所●千駄ヶ谷区民会館2F
(JR原宿駅・地下鉄明治神宮前下車・地図参照)


報告●現場からの声、統一行動の報告


ゲスト●井戸川克隆さん(前双葉町町長)


原発および関連企業、除染現場で働いている皆さん。
すべての労働者・市民の皆さん。


 私たち「被ばく労働を考えるネットワーク」は、2012年11月に正式結成して以降、福島現地の労働組合をはじめとする多くの人びとと協力しな がら、東京電力福島第一原発事故にともなう収束作業や除染作業に関する、危険手当や賃金未払い、労働環境などの問題について、当該の労働者を先頭に業者と 交渉をおこない、一定の成果を勝ち取ってきました。また、環境省・厚労省など関連省庁、東電やゼネコンなどへの申し入れもおこなってきました。


 私たちはいま、この2月・3月を、「被ばく労働者春闘」と位置づけ、さまざまな行動に取り組むことにしています。原発や除染労働をはじめとし て、被ばくを強いられる環境下で働く人びとの、雇用・賃金・健康・安全などに関わる切実な声と要求を集め、3月14日を統一行動日として、ゼネコンや 東電、関係省庁に対してぶつけていきたいと思います


 そして、一連の行動の集約として、3月14日の夜、「被ばく労働者春闘3.14報告集会」をもちます。


 統一行動と報告集会への、多くの皆さんの参加を訴えます !


主催●被ばく労働を考えるネットワーク
〒111-0021 東京都台東区日本堤1-25-11 山谷労働者福祉会館気付
090-6477-9358(中村)/info@hibakurodo.net/郵便振替00170-3-433582

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★★★

原発事故被害者への 「支援放棄」に抗議しよう
3.12官邸前抗議アクション


3月12日(水)19時~首相官邸前
呼びかけ;福島原発緊急会議
ウェブhttp://2011shinsai.info/
メール office【@】2011shinsai.info

   (【】を削除してください)

★★★


 3.11原発事故は一つの巨大な「犯罪」でした。放射能汚染にとどまらず、その後の「被害者を見捨てる」政策など、ばくだいな人権侵害と環境汚染の総体として、福島原発事故が捉え返される必要があります。


事故後、福島在住者・自主避難者への低額すぎる補償金指針(原子力損害賠償紛争審議会による)続いて「原発事故子ども・被災者支援法(以下被災者支援法)」の骨抜き化というかたちで、東電と国が被害者に対して充分な補償・生存支援を行わないのではという懸念は現実になりました。


とりわけ、立法府である国会が満場一致で制定した画期的な法律「原発事故子ども・被災者支援法」を、行政府である政府・復興庁が長期間「塩漬け」にし、さらに「骨抜き」にし、被害者への支援を放棄したことは、明らかな犯罪です。この支援放棄と原発再稼働は、一体化した許されない政策です。


 3月12日(水)、政府に「支援放棄をやめよ」「人権蹂躙をやめよ」と訴えます。私たちは「被災者支援法」を骨抜きにした「基本方針」の閣議決定を撤回し、同法の理念どおりに「被害当事者が参画する」手法で、同法の理念に沿った内容の、新たな「基本計画」を再作成するよう要求します。

★★★

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2月23日、東電前アクション!主催で福島第一原発立地地域の一つの大熊町町民で現在会津若松で避難生活を送っている木幡ますみさんを迎えて"「原発を遠隔地に押し付ける」という暴力"と題して、学習集会を原宿の穏田区民会館にて30人の参加で開催しました。


まず、東電前アクション!の植松から開会あいさつ。

「今日の新聞で東電の独自賠償方針に対して、国-文科省が仲裁に入るという記事が出ていた。東電のやっていることは"脱法的賠償"だ。依然として被害者を踏みにじる東電に対して、引き続き東京・首都圏からも声を上げていきたい」


集会は、映像を交えながら、木幡さんのお話を聞くという形式で行いました。

(発言部分は文責当BLOG)


「福島第一原発の立地地域ということで、大熊町と双葉町はよく比較されるが、反対の声を上げていたのは大熊町だった。義父はむしろ旗を掲げて反対デモをやっていた。周囲は"地主たから出来るんだ"などと言っていたが。義父は町長選挙に出て五百票差で負けた。その後事故で転落死したが闇から闇に葬られたと思っている。」DSC_0049


「双葉は城下町で武家の意識を引きずっていて、一方大熊は部落の人や広島、沖縄の人なども入っていて自由な気風だった。町民は"原発に頼らない町づくり"をめざし森林資源の活用なども追求していた。かなりデモをやった。プルサーマル反対も猛烈な運動だった。しかし、招待旅行などで切り崩されていった。」


映像では「双葉町民は原発の誘致でバラ色の未来を描いた」として、原発建設によって当時町が活気づいていた様子を映し出す。一方、富岡町など住民の多数が反対する地区もあり、「特別配慮金」として当時の額で一億円がばらまかれて反対は住民を切り崩していった様子も描かれる。建設され稼働した原発はトラブルが続発し、双葉町でも反対運動が登場し、当時原発反対同盟の委員長でのちに推進派町長となる岩本忠夫が「核と人間は共存できない」とカメラの前で語る。


木幡さん

「推進派・東電のやり方は、まさに札束で頬を叩くものだった。原発作業員は昔から白血病死が多かった。東電の職員はその葬式に黒服でなく作業服で来る。"黙っていろ"という威圧だ。香典袋はとても厚かった。そうやって、住民や遺族を告発させないようにしていた。」


「地元の有力者の子どもで覚せい剤で捕まったことのあるような人間が、東電社員となり原発の施設で漫画を読んでいるのを見たことがある。東電は"いてくれればいい"と言っていた。一方、高専・工業校出身者は優秀でも下請けに就職していた。」


「原発で働く・働かないで、地域が破壊され、絆が切れていった。心も荒んでいった。こどもたちまで、親が東電社員と下請けで分断されていた。警官も村に入るようになったが、警官の子はあまり原発で働くことはなかった。事故が起きたら真っ先に最前線に立つことになるからだろう。住民が互いを監視・スパイするようになって、ちょっとした一言でも東電に通報してクビが飛ぶということもあった。」


「第一原発の所長だった吉田昌郎は、津波対策課長だった当時、"電源を地下から高い所に移せ"という要望に、のらりくらりごまかしていた。彼が事故後現場にずっといたのは、そのときのことがあったからだろう。吉田所長はいろいろ記録を残しているが、絶対に外に出ない。隠されている。」


「私は家政婦をやっていた。原発ができて大熊町は病気が多くなった。親子で白血病になる人も多かった。原発の煙突からの煙のせいと言われていた。私も肺を患った。住んでいた地域は肺がんが多かった。ぜん息も多かった。作業着の洗濯屋はすぐ死ぬと言われていた。」


「東電は住民に融資をして家を建てさせる。住民は"私たちは東電に逆らえない"と言っていた。しかし、事故が起きたら、東電の社員は真っ先に逃げてしまった。テレビで原子炉でロボットを動かしていたのは、下請けの労働者だ。現場の労働者はいま、どんどんガンで亡くなっている。心筋梗塞で現場で突然死する人も多い。除染労働者はマスクもしていない。教育が全然なされていない。これがいまの実態だ。」


続いて、東電前アクション!の園から「原発輸出反対運動」の提起。

「これまで福島など原発立地地域に押し付けてきた原発が、今度はさらに遠い外国に押し付けられようとしている。これは構造的暴力の輸出ではないか。今通常国会で、日本-トルコあるいは日本-ベトナムで原子力協定が承認されようとしている。安倍首相が先日インドを訪問した際には、大きな抗議行動があった。私たちの運動が"再稼働反対"一本でいいのだろうか。"地域の人々の誇りを踏みにじる"原発の構造的問題に対して、反対する必要がある。原発輸出-原子力協定に反対する運動をともに作りましょう」


質疑応答の最後に木幡さんは「自民党-推進派-東電はやり方が上手い。原発を立てるために、地域のコミュニティを破壊する。自治会長に絶大な権力を持たせて、反対したら自治会にいられなくする。そうやって反対運動を潰していった。ひどいやり方だが上手いと子どもの頃から見てきた。やはり地域の首長・町長の頭を取り替えなければならない。夫は町長選に出馬して落選したが結構票を取った。やはり地域から明快な"反原発"の声を挙げられるようにしていきたい」と締めくくり、集会を終えました。

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【2.23映像と討論】
「原発を遠隔地に押し付ける」という暴力
~福島浜通り、そしてベトナム・トルコ~


2/23(日)13:30~16:00
原宿・穏田区民会館1階集会室
資料代カンパ500円 ※経済的にお困りの方は受付にて相談承ります

主催 東電前アクション!
BLOG: http://antitepco.ldblog
TWIT: https://twitter.com/antitepco1
MAIL: antitepco1@yahoo.co.jp

内容構成
・大熊町への原発建設をめぐる証言ドキュメンタリー番組をダイジェスト視聴
・木幡ますみさん(大熊町民、311事故後は会津若松市の仮設住宅に避難中)のお話
・実行委などからベトナム・トルコ・インドへの原発輸出反対の問題提起
・ディスカッション

3.11原発事故から3年、原発ムラの人々は原発をやめようとしません。

原発をやめないと言うことは、原発を大都市から離れた地域に押し付けるという「暴力」をやめない、ということです。
沖縄の基地問題とも通底するこの「暴力」について、皆さんとともに映像を視聴し、大熊町民(3.11事故後、会津若松市の仮設住宅に避難中)の木幡ますみさんのお話を伺います。

そして現在進行している(ベトナムやトルコへの)原発輸出の問題を含めながら、この「暴力」にどう向き合うのか、皆さんと考えたいと思います。

※私たち東電前アクション!は、この企画のあと、3/11(火)東電本店前、3/13(木)経済産業省前での抗議アクションを予定しています。

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11月2日、飯田橋しごとセンターで「双葉町の人々の2年7か月を知る11.2集会」を開催しました。これは9月28日に行なった「~東電は福島に何をしてしまったのか?~ 福島の”いま”を知る9.28集会」に続く「あらためて"福島"の状況を知ろう」という趣旨から開催したものです。参加者は60人。

集会ではまず、堀切さとみさんが12年7月に完成させたドキュメンタリー映画『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』を上映。

映画は原発事故直後の雪の中で避難する車の渋滞から、最初の集団避難先であるさいたまスーパーアリーナ、そして埼玉県加須市の旧騎西高校跡で生活する双葉町の人々の姿を映し出す。

「家を失った。自殺したくなる気分だ」、「生まれたところで死にたい。でも出来ないだろう」、「アリーナでの生活は惨めだった。ボランティアの人が来るが上から見下ろされているようで、何とも言えない屈辱だった」などの言葉が続く。

旧騎西高校跡での双葉町の盆踊りや有名な書道家だった町民の方による書道教室などの営み、町民同士の意見の違いの表面化、そして東京の反原発集会での町民の訴えなどが描き出される。「人が人として生きるすべてを事故で失った。国も東電も冷酷だ。しかも当事者意識がない!」

上映のあと、この映画を製作した堀切さとみさんと前双葉町町長の井戸川克隆さんに、東電前アクション!の植松を交えて、双葉町の事故から現在までの状況について、語っていただきました。

(以下、敬称略。文責当BLOG)

44井戸川:今年、ウクライナに行ってきた。9割以上の子どもに異常がある。元気がないように見える。私は町長時代、事故が起きる前から事故が起きたらどうすべきか考えていた。原発なんて危ないに決まっているからだ。

 国の対応は、子どもたちが大切にされていない。子どもが"人生諦めた"などと言う。そんな子がはたして福島を愛せるのか。そういう思いの集団避難は一つのチャレンジだった。最終的には避難措置が町議会に理解されなかった。


堀切:撮影時、双葉町の人たちがよく本音を話してくれたと思う。なんで双葉町ばかり取り上げるのかと聞かれるが、理由は避難先の旧騎西高校が自宅の近くだったからだ。集団避難は、井戸川さんが原発について深く考えてきたから出来たことだと思う。

 3.11前には祝島の映画を撮っている。その時はむしろ賛成派の声が聞けなかった。今回は双葉町の人々と出会った。複雑な思いを聞くことができた。

Q:集団避難について

井戸川:事故直後から長期化が見込まれた。当初は新潟の柏崎への避難を考えたが、断念して埼玉になった。遠くに避難してバラバラになるより、お互いが支え合う環境を作るべきだと思った。国が無策の中で、かなりの程度私の独断でやらざるを得なかった。「なぜ県外に避難したのか?」などとマスコミにくだらない質問をされたが、必要に応じた必要な避難をするだけの話だ。

 外国への避難も考えたが町民はついてこないと思った(会場笑い)。みなさん笑っているが他人事じゃない。3.11事故では運良く4号機が暴走しなかっただけだ。国は無策だ。しかし再稼働を企んでいる。とんでもないし、間違っている。もうすぐ福島第一原発で4号機で、燃料棒の取り出しが始まる。やってみないとわからない、ものすごいシビアで精度が要求される作業になるだろう。みなさんも避難先含めて考えてほしい。災害国に住むみなさんも予習してください。避難所がいいか、仮設住宅がいいか。傍観者ではないのだ。


堀切:遠くに避難させたチェルノブイリと福島は逆のやり方をして住民に「戻ってこい」とばかり言っている。条件は決まっているのだから、住民に選択させるやり方がおかしい。国は「ご自由に」というやり方だ。

 「双葉町の人々はかわいそうな避難民」と考えるのではなく、自分ならどうするかを考えてほしい。当事者意識から始めるしかない。これだけの事故を起こして再稼働や原発輸出など、許されるものではない。


Q:井戸川さんは、どうして堀切さんの映画への協力に至ったか?

井戸川:メディアとは、ビジネスで対応する「企業」だ。私はメディアに警戒感を持っていた。独立系の人々は自分の感覚で撮れる。堀切さんに注文したことはない。だから町民の本音が撮れたのだと思う。

堀切:最初は聞き書きから始めた。3ヶ月くらいしてカメラを回すことができるようになった。「双葉町として記録してこなかった」と井戸川さんに言われた。

Q:県外避難とバッシングについて

井戸川:全体として加須の人々はよく支えてくれているし、バッシングはほとんど聞いていない。

 福島でのほうが「双葉町は原発でいい思いをしてきた」などと言われる。事実は、原発があっても町は倒産寸前だった。私は原発のあるなしで比較検討したことがある。原発がない方がましだという答えになった。

 国には指導力がない。「災害対策本部」があっても、各部署が現場に出てこない。しかも、復興交付金は人に使われていない。国は無策だ。


堀切:今では「加須が第二の故郷でいい」と言う人が結構いる。旧騎西高校は現在90人が生活している。お年寄りが多いが、今はいい共同体に見える。現在、双葉町は、ここの閉鎖を決めている。旧騎西高校なら周囲に人がいるが、アパートの借り上げでは一人暮らしになり老人は「私は孤独死するしかないだろう」と言っている。「災害復興住宅」も今のところ難しいとされている。これは原発事故や立地地域の問題というだけでなく、高齢化社会などの私たちの問題につながる。

Q:先日の自民党の「避難者の全員帰還断念する方向」という報道をどう考えているか?

井戸川:唐突で受け入れられるわけがない。政府・自民党には被ばく量年間1msvを守りなさい、被害者を政府の会議に出席させなさい、と言いたい。「帰還断念」など決めるのは住民でなければならない。それが民主主義だ。私たちは政府にも自民党にも頼んでいない。当事者に語らせろ。

Q:県行政について思うところはあるか?

井戸川:県は放射能の海に県民を置いている。アウシュヴィッツとどれだけ違うと言えるのか。私が県知事なら県民を避難させる。ゼオトライト(一定の放射性物質除去効果があるとされる鉱石)を撒いて稲作なんてさせない。牛肉や米の安全宣言など出しているがダメだ。「風評被害」ではなく実害なんだ。県のやっていることは歴史に残る愚行だ。

Q:最後に

井戸川:旧騎西高校も閉鎖が決められ、避難民に対する「分散作戦」が始まっているのではないか。避難暮しをしていると人間が小さくなる。文句も言わなくなる。国にとっては都合がいい。「復興災害公営住宅」をあっちこっちに作るという考えもあるようだが、失敗するだろうし、さらに分散されることになる。必要なのは「仮の町」だ。「仮の町」を作るのに何兆円もかからない。立派な前例が作れるように、みなさんの手を貸してほしい。

堀切:取材を通じて、避難とは雨風をしのげればいいというものじゃないということがわかった。自立して生活するための手助けがほしい、という声を何度も聞いた。そのために何ができるのか、が問われている。

井戸川:現在、政府が前に出てきて東電を出さない・逃がすやり方をしている。そんなやり方だから福島で中間貯蔵施設を作ると言われても話にならない。「汚染水問題」はいろいろ言われるが、現場は今がマックス・ベストの状態だ。政府が出てきても何もできないだろう。

 除染に関して、国は指針で「国民の責務」などと記している。今回の事故に、たとえば沖縄の人に責任があるのか。こんなことを許してはいけない。東電前会長の勝俣は悠々としているだろう。私は、こういう不条理に怒っている。怒り続けている。

《記録者メモ》
9月28日の集会では「被ばく労働を考えるネットワーク」のなすびさんは、「東電にも政府にも当事者能力も解決能力もない」と語り「現場の人間が現場のことを決める・決められるあり方を模索しなければならない」と語り、今回井戸川さんもまた「政府は勝手に私たちのことを決めるな。当事者に語らせろ」と語っていたことが重なることが印象に残りました。

なによりも人間の誇り・尊厳を奪う原発という存在、そしてこれを許す政治に対して、私たちは「自己決定の民主主義」をどこでも・どこまでも対置して闘うことが求められているように、二度の集会を通じて思いました。


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☆★☆★☆★☆(転送・転載大歓迎★☆★☆★☆★☆★☆★☆

≪上映会&トーク≫ 

東電/国/福島県は311事故後、何をしなかったのか 
  双葉町の人々の2年7か月を知る11.2集会

 

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◆11月2日(土)17時45分開場 18時開始

 

◆場所:東京しごとセンター 5階セミナー室
(住所:東京都千代田区飯田橋3丁目10番3号、最寄駅:飯田橋)
http://bit.ly/sYOuTZ

 

◆資料代:500円

◆内容 
・映画「原発の地を追われて 避難民、双葉町の記録」(制作;堀切さとみさん、56分)
※作品公式サイト http://genpatufutaba.com/
※堀切さんは、今年の「やよりジャーナリスト賞 期待賞」の受賞が決定しました。 
 
・対談 井戸川克隆さん(前・双葉町町長)&堀切さとみさん

◆主催:東電前アクション! 
BLOG: http://antitepco.ldblog.jp/

TWIT: https://twitter.com/antitepco1

MAIL: antitepco1@yahoo.co.jp



9/28に行った「東電は福島に何をしてしまったのか」の続編です。今回は東電や国、そして福島県が「何をしなかったのか」に着目します。 

実は、私たちがこのテーマを考えるに至ったきっかけは、前回9/28にご参加された井戸川克隆さん(前・双葉町町長)の「皆さんがまだ議論されていない点があります。福島県の問題です」というご発言でした。
今回、その井戸川さんをお招きして、じっくりお話を伺いたいと思います。 

前半は、映画「原発の町を追われて 避難民・双葉町の記録」を上映します。これは旧騎西高校の避難所に暮らす双葉町の人々の姿と声を、制作者の堀切さとみさんが丁寧に拾い上げた作品です。


「『俺たちはどうせ忘れさられていくのさ』という避難民のつぶやき」
「2011年11月、ついに騎西高校で、町民自身が思いのたけをぶつけ合う集会を開いた(略)。ほったらかしにされた人々は『このままでは、国と東電に殺される』とさけぶ」(以上「原発の町を追われて」公式サイト
http://genpatufutaba.com/ より) 

後半は、井戸川さんと堀切さんに対談いただき、県当局の問題や、双葉町の人々のこれまでとこれからについてお話をお聴きしたいと思います。 

ぜひ、お集まりください。

 

◆ ~東電は福島に何をしてしまったのか?~ 福島の”いま”を知る9.28集会 記録

http://antitepco.ldblog.jp/archives/32868655.html

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9月28日、屋内集会「~東電は福島に何をしてしまったのか?~ 福島の”いま”を知る9.28集会」を隠田区民会館で開催しました。参加者は60人。

司会の園からこの集会を開催した趣旨の説明。
「3.11事故から2年半以上になり、ある時期には運動も盛り上がったが、被ばく労働、賠償、住民の被ばくの問題などについて、首都圏の取り組みはまだまだ弱い。一方で復興キャンペーンによって福島が忘れられつつあるように思える。一方でオリンピック開催が決まり、安倍首相の”汚染水はブロックされている”発言のように、さらに被害が隠されようとしている。この集会を被害の問題をなるべくつなげた運動を作る一歩としたい。」

◆最初に、弁護士として福島で原発被災者の生活相談を行っていた竹内佑馬さんから、「原発事故被害者の”いま”」の報告。

32いわきで聞き取り調査や生活相談をしてきた。深刻な被害にいつも泣きそうになる。オリンピック開催決定にびっくりした。賠償が進んでいないのに、やるべきことが違う。

東電は、自分で賠償の基準を決めている。言葉遣いは丁寧だが、「中間指針」の範囲でしか賠償しない、としている。被災者が求めているのは新しい生活と自分たちの尊厳の回復、生活再建だが、いまの賠償基準ではとても叶わない。

東電との交渉では、被害者が壇上の下にいる。東電はマニュアルを棒読みするだけ。謝罪は拒否したままだ。

避難生活3年目の相談者は、「希望がない。国は福島を見捨てるのか。避難先で差別的な扱いを受ける。落書きや車にキズをつけられる。おばは疲れ果てて昨年死んだ。国を許すことはできない」と語っていた。

いわき市に避難している人々に一部の心ない市民が「被害者バッシング」をしている。これは「指針」で東電が被害者同士を分断した結果起きている。水俣以来の手法だ。

茨城在住者の相談も受けた。茨城でも住民の身体からセシウムが検出された。子どもたちは不安を抱えて生きているが、「早急に子どもたちを検査しろ」と要求しても、東電は「避難対象外」として「検査する合理的理由がない」と言う。国も「無償で健康診断や検査する必要はない」と突き放しているのが現状だ。

私は今後も、被害者の声を「これでもか」と届けたい。これでもかと被害を訴えて、「被害者救済法」を作るように世論を動かしたい。

続いて、いわき市在住の方からアピール。

原発事故の怒りとストレス、神経症などで障がいを負ってしまった。東電に苦情を言ってもなんの補償もない。自殺すら考えた。「汚染水」の問題ひとつとっても、雨になり循環して汚染は広がる。皆が「被害者」として考えてほしい。原発再稼働はありえない。

◆次に「被ばく労働を考えるネットワーク」のなすびさんから。

342011年秋から「被ばく労働を考えるネットワーク」は取り組みを開始した。自分は山谷=寄せ場の運動に関わってきたが、山谷では「誰も働かなければ原発は止まる」と言われてきた。しかし、被ばく労働の放置が福島事故につながった、と思っている。その思いから参加している。

大熊町在住の佐藤佑禎さんの歌集『青白き炎』には、20年以上前から急死する原発労働者の歌が頻ぱんに出てくる。東京にいる私たちは、その現実を知らなかった。運動で「事故前に戻れ」という言い方がなされる時があるが、労働に関してはあってはならない。

楢葉町は「先行除染地域」と環境省に指定されているが、実態はゼネコン丸投げだ。人事院勧告で危険手当が警戒区域内で一人一日一万円と定められているが、業者は労働者に伝えない。労働者は危険手当の存在を誰も知らないし、誰ももらっていない。支給されても、せいぜい十日で千円、一日百円だ。上の業者と下の業者で取り決めがない。

埼玉の除染請負業者の例では、一ヶ月待機させられ給料も出さない。ひどい食事を朝晩出されるのみ。危険手当もなく、労災も認めない。通勤時の交通事故を強引に「単なる交通事故」にしてしまい、通勤労災として認めなかった。

「手抜き除染」について報道されたが、そういう現場は労働者の扱いもひどい。しかし、労働者については、マスコミは伝えない。楢葉町では除染に200億円の予算が組まれているが、ゼネコンに金を流すためとしか言えない実態だ。出稼ぎ労働者のあいだでは声をかけられた時に言われた条件が現場では違っていることを「福島のやり方」と言われている。

避難者や地元民の怒りが「除染なんか」と除染労働者に向かっている側面がある。「除染」で分断が生まれている。

除染労働も収束作業も、多重下請け構造の異常さは、3.11以降の「緊急事態」だからではない。3.11前から原発労働とは、そういうものだった。原発の必要のないあり方を、原発立地地域・地元の人々とともに考える必要がある。

◆次に「ふくしま集団疎開裁判」の柳原敏夫弁護士から。

09原発事故で、チョムスキーの言う「社会の最も弱い人々を社会がどう取り扱うか」が問われている。子どもを被ばくさせないということは、倫理上の最大の問題であり、課題だ。被ばく量の基準引き上げなど、国や推進派はチェルノブイリから学んでいた。一方で「3.11」が市民運動につきつけたのは、「命こそ宝」という概念だった。ここに「疎開裁判」の原点がある。

2011年の6月に提訴して、チェルノブイリ事故と対比した健康被害の予測を裁判所に提出した。しかし、同年の12月16日に却下の判決が出た。これは野田前首相の「収束宣言」とセットのもので、被害も「収束」したことにされてしまった。

しかし、二審では、一審に続いて却下の判決である一方、「生命・身体・健康に関して由々しい事態の進行が懸念される」と判決文で表明されるに至った。これは衝撃として、日本を除く世界を駆け巡った。「世界市民法廷」や「金曜文科省前アクション」などの取り組みの成果であり、私たちとしても想定外だった。

健康被害の危険は、甲状腺がんだけではない。被ばくによって様々な健康被害が発生する。その危険はチェルノブイリかそれを上回る可能性がある。「免疫力の低下、慢性疲労症候群、めまい、睡魔、記憶喪失、集中力低下」…これらは危険信号と捉えるべきだ。そして、先天性障がいは、世代を経るごとに悪化するのが放射能の恐ろしさだ。

私たちもまた、「チェルノブイリ」から学ばなければならない。発想の根本的転換が必要だ。「苦悩という避難場所」から脱出して「真の避難場所」に向かうことが必要だ。そのために、「新しい人間」、「新しい方法」、希望の全てを注ぎ込んで解決策を創造しよう。

◆ディスカッションでは、一参加者として前双葉町町長の井戸川克隆さんから発言がありました。

21私は、事故前から保安院と付き合ってきた。あの事故の根源は「嘘」にあるが、事故後も国の体質は変わっていない。この事故で公務員ははたして「公平・中立」だったのか。

年間1msvの被ばく基準を引き上げて政府や県が福島県民を被ばくさせている。福島県行政は加害者だ。『福島原発事故 県民健康管理調査の闇』(日野行介 著 岩波新書)をぜひ読んでほしい。

「立地地域は交付金で潤っていた」などと言われるが、大して潤っていたわけじゃない。それが、いまでは放射能まみれだ。福島事故は「事故でなく事件」という理解が必要だ。そう考えることで物事が整理されるだろう。そして、福島はオリンピックどころではない。

◆会場から「汚染水」問題は解決不能に見えるが、どう考えるか、という質問。

井戸川さん「”ブロック”発言はありえない。被害は拡大するだろう。1日400tが海に流れているという試算があるが、実際はもっとだろう。陸側から流れ込んでいる水はものすごいものがある。α線β線ストロンチウムあらゆる核種が流れて体内吸収は必然と考えるしかない」

竹内さん「原発は人の手に負えない。収束は誰にもできないだろう。福島では”安全な魚を提供できない”と漁業から離れた人はたくさんいる。いま見えている被害は、氷山の一角だろう」

なすびさん「最初からあんなタンクはダメだと業者が言っていた、と労働者は聞いているが口外するなと彼は言われていた」

◆学校で放射線測定をして、数値を公表したら「不法侵入」で訴える、ということがある。この法律の恐ろしさ、壁の突破の仕方をどう考えるか?という質問。

なすびさん「労働相談しても、外に出せない情報は多い。争議で闘うことになりかねず、本人が踏み込めない場合も多い。運動や地域で多くの人間が関わる枠組みが必要ということだろう。裏取りを行政にやらせるなどのやり方もあると思う。」

集会は、「福島の立場・目線からの反原発運動を引き続き模索しよう」と確認して閉会しました。

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~東電は福島に何をしてしまったのか?~
   福島の“いま”を知る9.28集会
    賠償・被ばく・避難をテーマに


9月28日(土)17時45分開場 18時開始   

会費 カンパ制(一口500円お願いします)

神宮前穏田区民会館・1階集会場(JR原宿駅から徒歩5分)
地図:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kmkaikan/km_onden.html

・出演者とテーマ

竹内佑馬さん(福島県原発被害者弁護団):原発事故被害者の“いま”

なすびさん(被ばく労働を考えるネットワーク):「収束」・除染労働作業現場の“いま” 

柳原敏夫さん(弁護士、「ふくしま集団疎開裁判」):福島の子どもたちの“いま”

主催:東電前アクション! 
BLOG: http://antitepco.ldblog.jp/ 
TWIT: https://twitter.com/antitepco1 
MAIL: antitepco1@yahoo.co.jp

★2011年3月18日から東京電力本店前や電力会社への直接抗議を続けている集まりです。 反差別・地域格差・南北格差・反軍事・エコロジー全般を意識し包摂する「反原発社会運動」 として展開中!

安倍首相の五輪招致スピーチは国際的な「収束デマ」「安全デマ」として、国内外で大きな批判を浴びています。


東京オリンピック招致決定によって、ますます封じ込められるであろう【福島の現実】。

私たち自身も、どこまでリアルに、切実に認識できているでしょうか。


この集まりでは、被害の問題に具体的に取り組む3人の方をお招きします。

福島・いわき市で200人を超える原告とともに、「謝れ!償え!なくせ原発!」のスローガンで賠償訴訟に取り組む若き弁護士・竹内佑馬さん。

長年の日雇い労働運動の経験を基に、被曝労働者・除染労働者の労働交渉や争議を闘い続ける、「被ばく労働を考えるネットワーク」のなすびさん。

福島の子どもの避難を求める裁判に取り組み、仙台高裁の第二審で低線量被ばくの危険性を一定認めさせた「ふくしま集団疎開裁判」の柳原敏夫弁護士。


それぞれのお話を通じて、福島で起きている現実の全体像に、できる限り近づいていきたいと思います。


そして、現実を変えるために何が必要か、みなさんといっしょに考えたいと思います。

ぜひ、どなたでもご参加下さい!

(ここまで)

2013年4.26チェルノブイリ・デーにおける東電前アクション!の声明
チェルノブイリの経験を福島に生かせ - 「収束」労働者を使い捨てにするな

 
 チェルノブイリ原発事故から27年めを迎えたこの日、あの事故についてあらためて様々な観点と角度から語られるものと思われます。そのなかで私たち東電前アクション!は、以下のことを訴えたいと思います。
 
 今年に入り、電源停止などの事故が福島第一原発の収束現場で相次ぎました。しっかりとした「収束」を望む声は、ますます大きくなっています。しかし、私たちは誰かの犠牲・大量被ばくを前提にして「収束作業をしっかりやれ」などと主張するものではありません。
 
 繰り返される作業トラブルと「早期収束」を望む声が強まるなか、私たちが危惧するのは、いま以上に多くの被ばくを現場の労働者に強いて、いま以上に労働者の使い捨てを強めながら、「収束」作業が進んでいくことです。
 
 私たち東電前アクション!は福島事故が発生した一昨年来、行動とそれに伴う東京電力への申し入れなどで「東電は電力事業主として、下請けを含む全ての収束労働者に対し、労働被ばくを強いている責任を取れ。すでに強いた被ばく労働については、健康面でも、経済面でも、被ばく労働者へのケアを生涯にわたって行え」と訴えてきました。
 
 そのような要求は、チェルノブイリ事故で収束作業を強いられた兵士・消防士・受刑者を含む多くの労働者たちが求めたことでもあります。いわゆる「チェルノブイリ法」(被害者支援法)の制定には収束労働者による要求運動も大きく寄与したという事実は、もっと広く知られる必要があるでしょう

 
 悲惨なチェルノブイリ事故も、「決死隊」の存在によってより最悪な事態から救われたとも言われます。

 しかし私たちは、福島事故において「決死隊」によって救われることを望むものではありません!
 
 私たちは東電に事故の「収束」は求めます。しかし同時に、あるいはそれに先立って、東電が収束現場の労働者の生命と尊厳を尊重し、決して使い捨てにしないことを強く要求します。
 
2013年4月26日 東電前アクション!

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